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1.最新の研究課題
☆ 特別な教育的ニーズ論の研究
Theory of Special Educational Needs
特別な教育的ニーズの概念モデルのうち、「相互作用モデル(interactive model)」に基づいた理論開発を研究しています。このモデルの特徴は、特別な教育的ニーズの概念を、子ども自身の「個体要因」と学習環境に関わる「環境要因」との相互作用による動的なモデルとして理解する点に特徴があります。この考え方に基づくと、「障害のある子ども=特別な教育的ニーズのある子ども」と固定化されることがありません。同じ子どもでも「特別な教育的ニーズ」が強く表れている状態の時もあれば、特別な教育的ニーズが生じない時もあるととらえて、子どもの状態に柔軟に合わせた対応を導くことが可能となります。
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☆ 調和コンジョイント理論の開発研究
BACH Theory:Balanced Altruistic Conjoint Harmonization
コンジョイント調和理念(conjoint harmonization)は、ノーマライゼーション理念などと同様に福祉や教育の分野における基本理念の一つとして、21世紀の社会状況を背景に提起するものです。複数の対立概念からバランスをとった調和点を導き出そうと考える点に特徴があります。 |
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☆ インクルーシヴ教育に関わる理論の研究
Concept of Inclusive Education
インクルーシヴ教育については新しい障害者権利条約の批准を契機に急速に日本の教育制度において具体的制度を模索する動きが進められていますが、その定義や基本概念が理論的な整合性と頑健性(robustness)が確立されていない状態です。この状態で性急な制度の設計や展開がなされてしまうと、将来において深刻な問題を引き起こすと考えられます。こうした問題を生じさせないように、特別な教育的ニーズ論とコンジョイント調和理念をふまえたインクルーシヴ教育の理論開発を行っています。
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2.継続研究課題
☆ デンマークにおける特別ニーズ教育制度の展開に関する研究
Kommunal Specialundervisning og Inklusion i Danmark
デンマークでは、地方分権が大きく進展していることから98ある市(Kommune)ごとに特別ニーズ教育やインクルーシヴ教育の展開に大きな違いがあります。これまで3つの研究プロジェクトを通じて全体の8割以上の市を直接フィールド調査の対象として、その特徴を明らかにしてきました。 |
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☆ イギリスにおける障害児教育史研究 及び
特別な教育的ニーズに関わる教育制度の研究
Education system and
History of Special Education in Great Britain
19世紀中葉から21世紀までのイギリスを対象に、肢体不自由教育の創始から今日の特別ニーズ教育にいたるまでの教育制度の展開に関する研究を行っています。
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