受講生による授業評価

リハビリテーションカレッジ島根「教育学」(02年度)  講義担当者:真城
 

 授業評価調査の結果      講義の概要




授業評価調査の結果
このページの質問項目は、これまで私の授業で実施してきた評価項目をもとに作成した演習用の評価項目を使っています。

各グラフの数値は「人数」を表します(N=37)

 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 
 

授業に対する意見(評価点・改善要望点)
受講生からの意見の内容
(原文そのまま記載)
意見をふまえた授業者(真城)の補足
・説明について
・ものすごくわかりやすい説明でしたし,大切さが伝わる授業でした。いっぱい先生が話してらっしゃったので,頭がいっぱいいっぱいになることもしばしばありましたが,先生の熱意が伝わってき,いろんな新しい考えをもてるよい時間でした。
・説明がとてもよくわかりやすかったです。授業が終わった後にみんなですごい先生だと話してました。私が大学に行っていたときの教授や助教授のイメージがあり,どんな先生なんだろうと思ってましたが,真城先生はとても優しく熱心な先生で感動しました。必ずPTになってこの授業を役立てたいと思っています。
・先生の熱意がすごく伝わってきた。そこにとても感激しました。
・特に先生の熱意をしっかり感じました。先生の説明は分かりやすかったです。
・本当にいい授業で分かりやすくて理解できました。わざわざ遠いところからありがとうございました。
・不安に思っていた授業が思っていたよりも分かりやすくて,ホッとした。自分になかった知識が勉強できて良かった。
・1つの単語から様々な話をされてすごいと思いました。また,楽しかったです。
 「熱心に」と表現されると,なにか自らの主張を演説のようにぶっているように誤解されそうで心配です・・・。
 みなさんに向けて,明確にメッセージをもっていたことはたしかですし,障害児教育についてたくさんのことを知ってもらいたいとも思いました。理学療法士を目指すみなさんに少しでも役に立つ講義を提供できればとも思いながら講義をさせてもらいました。
 ただ,必要以上に力説したりはしませんでしたよね。
 それは,私が提供するのは,みなさんが考える「きっかけ」にすぎないからなのです。話を聞いて,各自がいろいろなことを考え,自らの問題意識としなければ,人から聞いた話だけで「必要性」やら「重要性」をしっかりと自覚することはできないと思うからです。
 だからこそ,できるだけ淡々と事実を伝えるように心がけたつもりでした。
 講義の際にも触れましたように,「唯一絶対の見方,考え方がある」と思いこんでいることほど怖いことはありません。一つのものを多角的にみることができなければ,みなさんのもとにやってくる患者さんに対して,適切なアプローチを行うことは無理だと思います。
 たしかに,この点は繰り返し強調しました。でも,決して声を荒げたり,演説のような話し方にはなっていなかったはずです(笑)
 そう,私の話が「熱心に」聞こえたのは,みなさん自身が熱心に受講していたから,そのように感じられたのだと思います。
・進め方・ペースについて
・先生が一方的に話す場面がみられたのでそこを改善すればいいと思います。でも,その分先生の熱意は伝わってきました。
・先生がとても一生懸命話されているのはよくわかったのですが,ずっと話を聞くことが多かったので少し疲れる面もありました。でも障害児教育についてどれだけ先生が熱意を持たれているかということがとても伝わってきた授業だったので,とても充実した授業を受けさせていただくことが出来ました。

・先生の喋りがすごかったです。早口の割に聞きやすかった。
・もっと話を短くしてほしい。
・5のところにも書いたが熱意で火傷しそうだった(Lv3くらい)。ちょっと早口であったので聞き取りにくかったです。
・先生の話すスピードが速い!!もう少しゆっくりだともっと理解できると思う。

・同じ日に3限,4限と授業が入るとさすがに飽きます。授業とても分かりやすくて良かったです。ありがとうございました。
・1日の授業が多すぎた・・・先生は千葉におられるのでしょうがないですが。とても勉強になりました。ありがとうございました。
・事務的なことですけど,4日でやり終えるのがつらかった。眠かったですけど興味をもてました。
・先生の熱意が一番良かったと思います。すごく引きつけられました。改善してほしかったというか,たまにでいいから途中で休憩を入れてほしかったです(笑)
・先生の熱意や構成は他の先生よりもはるかに素晴らしかったが声が優しすぎるためか眠くなった。相手の注意を引く話し方ではあったが催眠術みたいであった。それ以外は抜群でした。千葉大学の学生がうらやましい限りです。

 限られた授業日数に,欲張ってたくさんの内容を詰め込んでしまったために,どうしても急ぎ足になってしまったようです。
 全体的に早口だったり,時には一方的に話し続けることもありました。このために内容の理解がしにくくなってしまったとすれば,申し訳なく思います。もう少し内容を精選するなりして,落ち着いた講義となるように工夫したいと思います。
 また,授業時間内にはじっくりと考えてもらう時間を十分にとることができませんでした。
 このため集中して参加するのはかなり大変だったかも知れません。
 ただ,授業時間に考える時間をあまりとりすぎてしまうのはもったいないようにも思っています。
 考えを深めるのは,授業が終わってからの時間にすることが私にとっても,みなさんにとっても良いかも知れません。
 休憩時間も正規の時間以外にはまったくとりませんでした。これは私自身にとっても初めての経験でした。集中して聞いているみなさんには,かなりつらかったかも知れません。
 週末を2回も潰してもらっての講義となってしまいましたが,全員が最後まで休みなく出席されてましたね。開始の時間になれば,定刻に授業をはじめることができましたし,久しぶりに整然とした展開の講義でした。みなさんには大変だったかも知れませんが,嬉しく思いました。
・内容について
・障害児教育の実態も知らなかったし,障害児に対するPTの影響力がこれほど大きいものとは思いませんでした。このような講義を受講できる機会があって良かったです。また機会があれば障害児教育にPTとして業務を行えれば今回の講義を役立てたいと思います。
・理学療法士に関わる授業内容だったのでとても興味をもてた。
・今回の授業を受けてPTが障害を持った子どもたちの教育にどのように関われるのかを知ることができた。PT概論で話は聞いたことがあったが,どこかピンとこなかった。今回の授業で習い興味を持つことができました。
・「教育学」はPTに関係ないと思っていたが,その関連性などが分かりやすく,それが良かった。
・PTとして子どもに関わっていく上で,子ども本人だけでなくその周りの人(保護者,専門家チームなど)との関わりが大切だと感じました。改めてこの仕事は人間関係の上に成り立っている仕事だと感じました。
・PTとして教育の面から知っておくべきこと,それに加えチームの中での役割,連携について考えることができたところが良かった。
・今まで興味がなかったことがとても知らなくてはいけないことだと気づいた。授業で学んだことをもっと知りたいと思った。将来,機会があればその方面に進みたいと思う。これからも自分で勉強していこうと思っている。
・機会があるならば,もっと障害児教育について学びたい。すごく充実した時間を過ごせました。テストを通じてお互いの評価が出来るので正体をいいます。大阪出身の渡辺でした(笑)
 留意したことは,授業の目的に掲げた3点について(下欄参照),受講生のそれぞれが自ら表現し,行動できるようになってほしいということだけです。とりわけ,障害児教育の分野とのつながりを大切にして欲しいという気持ちは込めていましたが,それは私の考えにすぎないかもしれません。
 みなさんが専門スキルを高めて職業人となるときには,障害をもつ子どもたちに関わる際に,もっと異なる視点をもっているようになっている可能性だってあるはずです。
 実際に仕事に就いてからは,医師はもちろんのこと,様々な職業の方と連携や調整をしながら働くことになります。その中で多様な視点があることを自覚しているか否かは,職業スキルの質を大きく変えるはずです。通常の「教育学」の授業とは趣を異にして,理学療法士に関わってくるであろう事柄に焦点を絞ったのはそんな理由があったからです。
 この授業を通じて「障害児教育」に関心を持ってくださった方が増えたこと,とても嬉しく思います。
・補助プリントやスライド・ビデオについて
・プリントの問題について1つ1つ分かりやすく説明していただいたので他の先生とは違いとても楽しく行うことが出来た。
・最後は配付された資料しか"形"では残らないけど,いろいろと考えや意見を述べられたのは良かったですが・・・*面白い先生です
・プリントの問題をもっとゆっくり考えさせてほしい。
・先生の多くの知識を聞くことができて良かったしプリントなどで考えながら問題を答えられて良かった。
・VTRの使用が内容もよく素晴らしかった。
・ビデオなどで今までに見たことないところを見せていただきよかったと思います。
・先生最高。でも鞄につまづきすぎですよ?(笑)じゃあ授業について。プリントの解説の時,ちょっと詳しく説明されすぎて,たま〜に耳から耳に突き抜けていきました。でもビデオを使うことはとても良いことだと思います。聞くだけより,みることの方が分かりやすい。
 穴埋め形式のプリントは「基礎知識の確認」,自由記述式のプリントは「各自の考えを言語化するため」,とそれぞれ役割をわけています。
 毎回,多くの方に意見を述べてもらいましたが,その意図は次のようなものです。みなさんは,いずれ「異見」を相手に伝えられるようにしなくてはなりません。そのためには「正確な知識」とそれにもとづく「論理的な思考」,そして「自らの言葉で表現する」こと,この3点が大切となります。
 このために2種類のプリントを使い分けました。
 さらに具体的なイメージを形成し,思考を助けるためにビデオを用いました。
 スライドは全体の進行のために用いたものです。主として要点を整理するとともに,講義の方向性を常に示すための補助手段として位置づけました。

・その他の感想
・真城先生はすごいフォローのうまい方だと思った。何を発言してもうまい具合に訳してもらえて,ちょっといいこと言ったかな!!って気になりました。ありがとうございます。障害児教育。将来関わっていきたいと思いました。あっ!!先生話すごすきです^_^西谷彩
・他の非常勤の先生方と比べるのは失礼だと思いますが,人間的に好意を持てると感じました。
・とくにないです。
・ほんとうにすばらしい授業ありがとうございました。こんなに時間がすぐたつ授業は初めてです。休みなしでわざわざ千葉からきてくださって,ありがたいのは私たちのほうです。私の目標とするお方です。体たいせつにして下さいっ!!もっと寝てください!おねがいです。
・お話が楽しかった(←上手)。ビデオも子どもたちの生活や気持ちとか周りの大人のことなどわかってよかった。もっといっぱい講義してほしい。時には週末なくたっていいのに。障害児教育について興味が深まりました。もっと寝てくださいね。

・先生の説明は最高だった。最高すぎて結構静かだったので寝てしまった。

 無記名なのですから,あまり持ち上げすぎないでください。
 そんなに褒めてくださる感想に,もし記名でもしてあったら,調子にのってこちらから連絡してしまったりするかもしれないでしょう!無記名でよかったです(笑)ん?一部名前がある人も・・・
 批判も遠慮なくできるように,無記名にしてありますし,私自身の反省のためにやっていますので,どうぞお気兼ねなく。
 それでも,「こんなに時間がすぐたつ授業は初めてです。」とか「時には週末なくたっていいのに。」なんていわれると,それだけで講義をしにいってよかったと嬉しくなってしまいます。この一言だけで,疲れも睡眠不足もふき飛んでしまうというものですね。ありがとう。
 ほんとに話が聞きたいのなら,千葉までおいで下さいな。歓迎しますよ。


 さて,最後の感想には,完敗です(笑)。まいった。




 講義の概要


講義の性格
 理学療法士の養成課程における「教育学」の講義。特に肢体不自由教育児への教育における理学療法の役割や連携の必要性などについて取り上げている。集中2単位。
 対象は理学療法学科2年生。
 講義のねらいは,理学療法士として理解しておかなければならない教育,とりわけその必要性を認識するとともに,様々な専門家の連携によって子どもの生活や学習が有効に支援できることを具体的な行動ビジョンをもって意識できるようにすることにおいた。

講義の目的
 1.理学療法士として必要な子どもの教育に関する基礎知識を得ること
 2.日本における障害児教育と福祉制度の概要を知ること
 3.子どもの発達に関わる専門家との連携における自身の役割を考えること
 上記に関して,内容を他者に説明することができるようになるとともに,自らの行動指針を明確に意識できるようにすることをめざす

テキスト
 独自の内容であることから,テキストの指定は特に行わず,必要に応じてスライド,ビデオ,補助プリントを活用して授業を行った。(下表参照)

授業の進め方
 授業の構成は次のように行った

タイトル スライド 補助プリント ビデオ
第1講 理学療法士と子どもの教育  
第2講 福祉教育について  
第3講 障害児教育と福祉の概要0(学校の種類等)  
第4講 障害児教育と福祉の概要1(福祉制度背景)    
第5講 障害児教育と福祉の概要2(障害と学校)    
第6講 障害児教育と福祉の概要3(障害教育制度)    
第7講 肢体不自由児の教育1   ○ 
第8講 肢体不自由児の教育2  
第9講 理学療法士としての教師との関わりを考える  
第10講 病弱児の教育・重症心身障害児の教育1  
第11講 重症心身障害児の教育2  
第12講 自立活動・個別の指導計画    
第13講 専門家のネットワーク  
第14講 理学療法士と子どもの教育(まとめ)  
第15講 (試験)      
 プリントは,穴埋め式のものと,自由記述式の項目から構成した。
 穴埋め式のものは,適切な語句を選択して記入し,補足説明により内容理解を深める形式のもので,基本用語の確実な習得が目的である。
 自由記述式のものは,「理学療法士として「教師」とどのような関わりを持ちたいと思いますか」,「あなたが担当する子どもに理学療法のアプローチをするために,「教師」からその子どもの教育に関してどのような情報を得ることが必要だと考えますか(子どもの学校での様子に関して知っておくべき情報は何か)」といった質問に対して自身の考えを記述する形式のものである。これは各自が具体的な行動指針をもって「教師」やその他の専門家との関わりを持つことができるようにとの意図で設定した。

評価
 評価は試験によりに行った。



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ご意見などは
sanagi@e.chiba-u.ac.jp