受講生による授業評価

学部 「精神遅滞教育学」(01年度)  講義担当者:真城
 

 授業評価調査の結果      講義の概要




授業評価調査の結果
このページの質問項目は、これまで私の授業で実施してきた評価項目をもとに作成した演習用の評価項目を使っています。

各グラフの数値は「人数」を表します(N=46)

 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 
 

授業に対する意見(評価点・改善要望点)
受講生からの意見の内容
(原文そのまま記載)
意見をふまえた授業者(真城)の補足
・授業の構成や進め方について
 模擬授業をさせることは,それまで学んだことの良い復習手段になって良かった。
 障害について知識を与えるのみでなく,しっかりと自分で考えさせるような授業構成であった。
 自分で授業を作るということが初めてだったのでとてもいい経験になった。実際,現場で実践したい授業内容だと思った。
 このような児童文学を読むこともそこから授業を考え進行することも初めてのことだったので,いい経験・勉強になりました。
 授業づくりは本当に難しかったけど,たくさん考える機会があって,勉強になった。まだまだ勉強不足だと思いました。でも,たくさん意見を交換できたのがよかった。
 授業づくりはとても大変だった。けれど,これから授業を作っていくわけだから,こういう風に作るのかということがわかって,ためになった。
 模擬授業を行って,障害理解教育の難しさを知った。でも,現場でやってみたいと興味を持つことができた。
 とても考えた授業でした。改めて自分の知識のなさを感じ,もっと学習したいと思いました。
 自分たちで授業・評価を同時に行うことで自分の欠点がよく見え勉強になった。授業時間延ばさないで!!
 先生の授業でいっていた一つ一つが模擬授業をするときに実感されました。
 ただ講義を聴いているよりも,実際に自分たちで授業を考えながら進めることで,自分自身の知識を問うことができます。そしてなによりも,受講生のみなさん自身が「知的障害」や「障害」についてどのように向かい合っているのか,そしてどのくらいそのことについて「自分の問題として」考えてきたのかを明確に自覚することができ,これからそれをふまえて自分の行動の指針を明確にすることができたかどうかを振り返ってみてください。
 もし知識の不足だけでなく,「障害」に対して十分に向かい合って考えてこなかった自分の姿に気がつくことができれば,この授業を受講した成果があったということです。
 もちろん,これまでもしっかりと考えてきた人にとっては,さらに深めることができたはずです。
・模擬授業について
 自分たちがどんなに一生懸命考えた授業も,がんばった授業もうまくいかなかったり,伝わりにくかったり,周りからの厳しい意見がとても参考になったし,考えさせられました。自分が将来実際に授業をするときのために大変勉強になりました。もう少し準備の時間はほしかったです。
 授業を実際に作ったのは実習前のよい経験であった。反省は次に生かせるだろう。また,人のを見て良いと思ったり批判したりするのもプラスになった。
 模擬授業はすごく勉強になりました。ありがとうございました。
 この科目での発表は,相互に授業者と児童の役を交代しながらの「模擬授業」でした。
 しかし,実際にみなさんが相手にしていたのが,大学生ではなく,子どもたちだったらどうなるでしょう。
 子どもたちに間違った「障害」理解をさせてしまったかもしれない「怖さ」を感じてもらえたでしょうか。これからも真剣に取り組んでください。
・グループについて
 グループ発表のメンバーの数がもっと少ない方がよいと思った。
 模擬授業をする際に,班によるレベルの差が大きくあったように思う。ある程度話し合いを進めやすい構成にしてほしいように思う。できればもう少し準備の時間がほしかった。授業自体は意義のある良いものだったと思います。
 模擬授業は自分のためになった。しかし,もう少し先生のご指導がほしかったことと,1グループの人数が多すぎたのではないかと思います。発表を見てきて,障害理解教育は,漠然としすぎたものになっており,テーマ性がもちにくいという現状を感じました。講評用紙の授業評価の項目も具体性がないように感じました。
 グループ発表にすると負担がかかる人,やらない人が出てくる。
 各グループの人数は,受講生全員の人数から算出しています。
 模擬授業にあたっての私の講義(6回),模擬授業の準備のための期間(4回)などの講義スケジュールを考えると,模擬授業の発表にあてることができるのは,4回が限界です。すなわち,グループ数は「8」となるのです。今回は,約50名の受講生でしたので,一つのグループが6〜7名になってしまわざるを得ませんでした。
 私としても,できれば4名以下でやりたいのですが,模擬授業や発表のための準備期間を授業の時間以外に大幅に依拠するようにするわけにもいかないでしょうし,悩んでしまいますね。
 負担偏重の問題は,毎年,注意してきたところですが(今年も授業の中でしつこいほどにいいましたよね!),なかなか改善されません。私もさらに改善策を練ろうと思います。
 しかし,ものは考えようです。今回「自分は負担が大きかったなあ」と思っているあなたは,この難しい障害理解教育の実践者としての力を他の人よりも,着実につけられたはず。
 真剣に取り組んだ人とそうでない人では,必ず差が出ます。他の授業よりも確実にね。
 そう思ってください。
・レポートについて
 毎回のレポートがすごく面倒でいやだと思ってたけれど,今思うと自分の頭の中を整理できてよかったんだと思う。
 毎回のレポートも正直大変だったんですが・・・実になったと思います。ありがとうございました。
 レポートが多くて大変だったけど,障害について深く考えることができた。
 レポートが多すぎ。
 毎回のレポートによって授業の振り返りができるのでよかった。
 毎回内容を丁寧に解説しているので,レポートの内容が似てきてしまう。
 毎回毎回のレポート提出は忘れがちだし,いつまで書けばいいのかよくわからなくて大変でした。
レポート等,書くものが多くてちょっと大変でした。でも,とても為になる授業だったと思います。
とにかくレポート課題が多かった。前半のレポートは授業の復習として必要だったと思うが,後半,模擬授業が始まってしまうと毎回のレポートは必要なのか疑問だった。前回,講評用紙を書くのに,さらにレポートに書くことはないと思う。授業の内容は興味深かった。障害理解教育というのを学べたのは良かった。
 課題が多くて大変だったが,すべて自分のためになった。これくらいやっていかないと身に付かないと思ったので,良かった授業でした。
 単に負担を大きくするために毎回のレポートを提出してもらったり,途中で小テストを行ったりしてきたわけではありません。なにしろ私自身の負担も相当なものになるのですから。
 障害理解教育は,授業者自身が正しい知識や姿勢をもっていないと,大変なことになります。
 受講しながら誤解をしていないか,正しく講義の内容を理解できているのかを,毎回チェックするようにしました。
 気がついていた人がいたかどうかわかりませんが,レポートの内容で少し理解が十分でなさそうな人には,模擬授業の計画を各班で進めてもらっている間に,特に声をかけていたのですよ。
 なぜ,模擬授業の計画をはじめた以降にもレポートを提出してもらっていたか理解していただけましたか?
 さて,蛇足かも知れませんが,この授業は,養護学校教諭の免許状取得のための必須科目ですが,本当に真剣に取り組もうとしている人だけに参加してもらいたいと思います。
 単にレポートの量が多くて負担だと感じるのであれば,是非,その旨を後輩たちに伝えてあげてください。
 大変そうだと思って受講を敬遠する人が増えるということは,受講者には真剣な人がさらに増えることになるので,私としてはありがたいことです(笑)
・その他の感想
  大学入学後,一番マジメに取り組んだ授業でした。
 今までの障害系の授業の中で一番興味深く取り組んだ。
 楽しかったが,先生の講義,先生の模擬授業などをもう少し見たかった。
 4年生で履修するには毎週のレポートや授業を作るための話し合いなど,卒論と同時進行でやらなければいけなかったため大変だった。
 教員を目指す人はこの授業をとるべきだと思いました。
 真剣に授業に参加してくれてありがとう。
 4年生で卒業論文の提出時期にも欠席せずに受講してくれた人がいました。
 医学部から受講にきてくれた学生もいました。
 養護学校教員養成課程には,十二分な自覚を持って模擬授業の準備や発表に力を注いでくれた学生が何人もいました。
 1年生にも模擬授業の児童役を積極的に努めてくれた学生がいました。
 授業時間以外でも,慣れない指導案を何度も書き直したり,友人と毎日のように議論をした学生もいたそうですね。
 過去の受講生で,模擬授業の発表を見に来てくれた学生もいました。
 なにが嬉しいかって,そんな風に一生懸命な学生たちが何人もいてくれたことに勝ることはありません。
 いつまで私がこの授業を続けられるかわかりませんし,教員を目指す多くの人を対象にするのは私一人ではとてもできません。この授業を受講してくれた人たちの中から,将来,障害理解教育に取り組んでくれる人が一人でも多く出てくれることを願っています。
 そして一人が毎年5人の同僚教師と50人の子どもたちに伝える役割を是非果たしていってください。いい授業ができたら,きっと見せてもらいにいきます。必ず連絡をしてください。
 今年の受講生のみなさん,来年度以降の後輩たちの模擬授業を是非見に来てください。



 講義の概要


講義の性格
 知的障害に関する学習を行う科目。平成11年度より、「知的障害に関する障害理解教育」を模擬授業を計画する方式で展開している。半期2単位。
 対象は学部1−4年生。
 講義のねらいは,「障害理解教育」の実践を考えることを通じて、「知的障害」について表層的な知識学習に留まらない,「障害」について各自がしっかりと向かい合う姿勢を形成することにおいた
 

使用したテキスト
山口洋史・山田優一郎編:知的障害をどう伝えるか.文理閣

授業の進め方
 まず,テキストを使用しながら6回にわたって障害理解教育の背景や基礎的考え方について講義を行った。毎回の授業ごとに,授業の内容とそれに対する自分の意見をレポートとして提出してもらった。また,1回は「知的障害」に関する知識を問う小テストを実施した。
 ついで、合計8つの班にグループを分けた。各グループを単位として障害理解教育の模擬授業の計画を約1〜2ヶ月(グループの発表順により準備期間が異なる)にわたって行った。
 これは、知的障害児が登場する児童文学作品1編を読んだ上でのレポートを提出し,それをふまえて実施された。
 1月より,毎週2班ずつ,各40分間の模擬授業を発表してもらった。発表班以外の学生は,「小学生」になったつもりで授業を受けてもらった。各授業後には,発表に対する授業評価を実施し,内容をまとめたものを翌週以降に全員に配布して,学習が深められるようにした。
 すべての班の発表が終わった後に,まとめの授業を実施するとともに,再度,児童文学作品に関するレポート課題を提出してもらった。
 昨年度までとの大きな違いは,平成13年度は,毎回の授業ごとにレポートを提出させるようにした点である。これは学生には相当の負担となるものであるが,毎回の授業内容をしっかりと意識させる上で重要であると考えて導入した。



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